越後上布
越後上布の歴史は古く、天平勝宝年間建立の奈良正倉院に「越布」として今も保存されている。このことからも、1200年以前より塩沢地方において生産されていた事が容易に推察できます。江戸時代(天保年間)塩沢の先覚者、鈴木牧之の著した「北越雪譜」の中に、雪国の生活と共に越後上布の生産のありさまが詳細に記載されています。現在では原料である苧麻の生産量も極めて少なく、又、後継者も老齢化してきており、近い将来には「幻の布」となる事も憂慮されています。

越後上布を織り上げるには、気の遠くなるような忍耐強さを要求されます。その製造工程は50にも及びます。
原料は苧麻(ちょま)と呼ばれる麻を苧引き(おびき)により精製された繊維を手の爪で細かく裂いた糸を使用し、撚り掛け・糸繰り・糊付けなどを経て出来上がった糸を、図案に基づき本数、長さを決める伸べ、柄付けのための手くびり、つきによる絣(かすり)作り、さらに染織など、数々の工程を経て機にかけて織り上げていきます。
機具は、イザリ織りを使用し、糸と機具と人間が一体となってはじめて布が織り上がり、一反織り上げるまで2ヶ月から3ヶ月を費やします。これを水洗いし、雪の上に晒し、仕上げ整理され製品となります。この雪晒しは、植物繊維の糸を使用している越後上布のみ行う工程で天然の漂白作用があり、2月中旬と3月上旬に行われる、この地方の春を告げる風物詩です。
このようにして出来上がりました越後上布は、そのシャリッとした肌触りの良さは格別で、夏の最高着尺地として名声を博しております。
この越後上布の技術を絹織物に活かした織物が「塩沢紬」「本塩沢」「夏塩沢」であり、塩沢紬は原料に生糸、玉糸、真綿手紡糸を用い、特有の柔らかさを、本塩沢は原料に生糸を使用し、横糸に強撚糸使用によるシボ立ちが、夏塩沢は、原料に生糸、駒糸を使いサラリとした涼味豊かな風合いが、いずれも精巧な絣技術による柄模様は、独特の上品さと優美さを醸し出しており、塩沢紬は、昭和50年2月、本塩沢は昭和51年12月に通商産業(現 経済産業)大臣指定の伝統的工芸品に指定されて、現在塩沢産地の主力織物に位置付けられています。 

2009年9月30日「小千谷縮・越後上布」はユネスコ無形文化遺産代表リスト登録が決定されました。
住所 新潟県南魚沼市目来田107-1
電話 025-782-1127
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