真白き世界に隠された知恵と出会う

食に五穀豊穣・無病息災を願って

食に五穀豊穣・無病息災を願ってはらみ箸ときな粉はらみ箸一月十五日の小正月の年取り膳は、はらみ箸でいただきます。はらみ箸は、白い木を中ほどを太くして両端をとがらせたもので、穂の形をしています。この箸は、その年の稲作にかかわる行事食の時にも使い...

漬物と雪中保存

漬物と雪中保存香の物雪国の冬の保存食である漬物は「香の物」とも言われ、この言葉には都の響きが感じられます。京都は、日本の古い伝統を数多く残しており、漬物もその一つです。漬物は、もとは宮中の公家などが、味と香りを楽しむぜいたく品でした。お茶の...

つもの盆・歯がためと栗・串柿

つもの盆・歯がためと栗・串柿もの摘みなされ秋山郷は、今も昔も人を惹きつける魅力があります。秋山を訪れた鈴木牧之が、前倉の平左衛門に立ち寄った時、「もの摘みなされ」と白い盆がさし出されました。盆の中には、勝栗・柿・昆布・米少々・松葉の五品がの...

命がけのロマン熊猟

命がけのロマン熊猟古今東西の文豪も、熊猟に魅了されました。秋山マタギ/津南町教育委員会提供『越後紀行』十辺舎一九*一九は、熊狩りを見ようと清水を訪れました。狩人は、総身を皮でつつみ、腰には短刀、手には槍の出で立ちである。出羽より来たといい、...

清流の恵み

清流の恵み初鮭は将軍家へ江戸の珍味三鳥二魚の二魚は、カツオとアンコウです。この二魚に劣らぬ人気が、サケでした。初サケは、はつなといい、坂戸城主の堀直竒は将軍家に献上したと伝え、長岡藩主牧野家も元和の頃から将軍家に献上しています。牧野家では、...

塩鳥

塩鳥木下順二*の代表作に「夕鶴」があります。各地の残る罠にかかった鶴を助ける「鶴の恩返し」の昔話を題材にした戯曲です。鈴木直*の『雪の伝説』には、魚沼の「鶴の恩返し」が紹介されています。今でこそ美田が広がっていますが、魚沼郡は池や湿地が点在...

山菜

山菜アンニンゴ塩漬黒崎裕一郎の時代小説に『江戸御金蔵破り』があります。この小説の主人公藤岡藤十郎が、吉原へ登楼する場面で、山海の珍味として「塩ぜんまい」が出てきます。江戸へ送られた山菜江戸勤めの侍にとって、ゼンマイ、ワラビは故郷の味覚でした...

雑煮・赤飯のルーツを探る

雑煮・赤飯のルーツを探る雑煮と縄文の食ザッコ煮/津南町教育委員会提供雪国の雑煮は、大根などの野菜と鮭などの魚を煮こんだ具だくさんの料理です。煮るという料理方法は、人類の歴史の中で、土器によってできるようになりました。土器が作られるようになっ...

雪国のごっつぉ 行事食

雪国のごっつぉ行事食正月の代名詞でもある雑煮は、大根・里芋・人参・牛蒡・コンニャク・豆腐などの野菜に、アジ*(鮭)などの魚が入っています。力わらびと称して、ワラビを加えるところもあります。元旦から三が日、二十日の正月納め、三十一日の晦日正月...

我里はいつまて雪の弥生哉 牧之

我里はいつまて雪の弥生哉牧之豆まき入道(八海山)雪消えが遅い年は、春は名のみの弥生(三月)を迎えます。新編会津風土記*を読むと、季節の変わり目は、雪でした。雪の訪れが冬の始まりで、雪消えが冬の終わりです。雪のない時期が夏です。春は、冬と夏の...