冬はスキー場のお客様がたくさんいらっしゃるスノーリゾートのイメージを持つ方が多いですが、雪が融けると全く別の景色が顔をのぞかせます。
木々は新芽を膨らませ、雪でリセットされた土地から勢いよく春が芽吹いてきます。寒い時期に閉じこもっていた人々は家の雪囲いを外し、農機具の手入れを始め、天気を見ながら忙しくもイキイキと動き始めます。暖かく雪が降らない地域と比べ、農業で生きていくには不利で苦労の多い雪国、湯沢町中里。それでも人々は太古からこの地に暮らし、この地を耕し、作物を育て、人を育て、自然と共存しながら生きてきました。技術が発展した現代においても何代も前の祖先たちが作ってきた遺産が今でも農業の基本となっています。雪がもたらす恵みと、その恵みを享受するために人々がどのように過ごし、暮らし、工夫をしていたか、そしてそれをどのように引継ぎ、発展させ、次世代に残していくか。雪国ならではの昔と現在の暮らしの対比は、目まぐるしく変化する現代において、自分らしさをぶらさずに生きていくヒントになるでしょう。
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こじんまりとした集落の中にある「ヴィラ・パーサー」が今回の拠点です。リトリートガイド、ローカルガイドと共に、田舎ならではのゆったりとした雰囲気と、春らしいイキイキとした雰囲気を感じ、はじまりの対話を楽しみましょう。
その後村の基盤の水をたどるお散歩へ。「伝之丞堰(でんのじょうせき)」の始まりから歩き始め、春の雪解け水が人々の生活に流れ込んでいく様子を見て、雪と水と地域の関わりを感じます。
そして地域の伝承を伝える活動しているおばあさんによる「伝之丞堰」の方言紙芝居。堰の持つ意味、作った人々の想いを、方言を交えて理解することで、雪と地域と人々の暮らしのつながりを感じられます。
夕食はヴィラ・パーサのホッとする家庭料理。程よい疲労感と地域のまったりとした時間を感じながら、ゆっくりとお休みください。
※山の天気は変わりやすいため、その時々でお天気を見ながら一部体験内容が変更になることも
ありますので予めご了承ください。
【1日目】※ご昼食をお済ませの上ご参加ください。
・12:00 宿に集合。
※11:31着の新幹線でいらっしゃる方は、越後湯沢駅東口に11:45発の送迎バスをご利用ください。
ー始まりの対話「種まき」の時間
・水の流れをたどる(1時間ほどの散策)
・方言紙芝居を鑑賞
・夕食
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2日目は「いま」の農業に想いをはせます。朝一番、2時間の現代農業体験でスタート。長靴を履いて土と水に触れ、農家の日常と春の仕事の流れを体験します。現代技術は、農村にどのような変化をもたらしたのでしょうか。そしてその進化の便利さとその裏にある課題、変えてはならない農業の核心に触れます。はるか昔から人々が自然とともに作り上げてきた暮らしが今でも脈々と受け継がれていることをめいっぱい感じてみましょう。
お昼は昔ながらの「ぬか釜」で炊いたご飯を、地場産の食材や山菜を使ったおかずと一緒に味わいます。雪解け水から始まり、水路、農地、そして私たちの食卓へとつながる、昔から変わらぬ大きな流れを感じながら食べるご飯は格別です。
昼食後は、自由散策。あぜ道を歩くと広がる田んぼの景色。サラサラと流れる水の音。時おり抜けるさわやかな風に波立つ水をたたえた田んぼの水面。「自然豊か」「のどか」などの言葉だけでは言い表せない、里山の景色・暮らし・歴史を包含した「何か」が感じられるはずです。
【2日目】
・早めの朝食
・現代農業体験(2時間ほど)
ー苗箱積み体験、田植え作業・トラクター作業見学、などの農業体験
・軽くお風呂で泥を落とす
・昼食(メインはぬか釜炊きのご飯)
・ソロタイム
・お宿で夕食(1人でゆったりと食事を楽しむ)
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3日目は、リトリート「お米ものがたり 里山のくらし いま・むかし」を深く反芻する日です。この日はまず、自分と向き合うソロタイムから始まります。過去2日間の体験や学び、そして内面の変化をじっくりと感じながら、心地よい場所で自然や里山と対話し、自己理解を深めてください。この静かな時間を通じて、自分自身の内面と深く向き合うことができます。
ソロタイムの後は、他の参加者と集まり、リトリートガイドと共に過ごした日々を振り返ります。お米ものがたりと共に、一人ひとりのものがたりが立ち現れてくることでしょう。
【3日目】
・朝食後、始まりの対話
・思い思いの場所でソロタイム
・3日間の振り返り
・終わりの対話
・現地解散