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ガストロノミー ツーリズム
ガストロノミーとは、なんだろう

私たちが、雪国の食文化に可能性を感じて、ガストロノミーツーリズムに取り組みはじめたのは2016年。当時から比べるとガストロノミー という言葉を耳にするようになりましたが、それでもわかりにくい言葉ではあります。世界各地を旅してきた、トラベルライター朝比奈千鶴さんが思うガストロノミーとは、どんなものでしょうか。


夕景の棚田

 

ガストロノミーとは、なんだろう

暮らしにつながる、おいしい旅へ

 

ガストロノミーをテーマにした旅は、いつだって驚きに満ちている。食べるだけでは飽き足らず、採って、食べて、味わって、おいしさの裏側にまで出かけていく。本物の素材の味と、それが育まれた土地に出会う旅なのだ。驚きの体験は、キッチンやテーブルを通して、“知”を誰かと共有したり、自分に蓄えたりしていく。旅人の見える世界は、現地で体験したこと以上に深まり、広がっていくだろう。そんな連鎖がガストロノミーツーリズムにはある。

 

ところで、ガストロノミーってなんだろう? レストラン情報を逐一チェックしているグルメならば、WEBや雑誌などでよく目にする言葉なのかもしれない。土地の文化と料理の関係性を考察 し、科学と融合させてより食べ合わせや味わいを追及する料理のこと…….こう書くと、なんだか難しい。オーガニックやフェアトレードなど、食材の調達の環境や社会的影響まで考えた料理であるという解釈も外れていないだろう。英和辞書をひいてみると、“美食、料理学のほか特定地域の料理法”と出てきた。あちこち旅をしていると “特定地域の料理法と食文化の背景”という捉え方のほうが、この言葉が登場する場面が多いような気がする。

 

イタリア発祥のスローフードの文脈では、美食家のことを“ガストロノモ”という。その意味は、お皿の上の食材がやってきた背景や文化、歴史のことを想像し、それらを暮らしにまで反映している人のことだとものの本で読んだ。なるほど、そちらのほうがより等身大で想像しやすい。ガストロノミーとは、風土と素材、生産者、料理人、食べる人との“知恵の循環”のことなのか。その一口をいろんな角度から食べられたなら、舌のものさしがきっちりと本物を見分けられるようになりそうだ。食をめぐる循環の輪は、ふだんの暮らしもより豊かなものになると約束してくれる。さて、ガストロノミーに出会う旅に出かけようかな。

 

まつだい農舞台の里山食堂のランチ

 

ガストロノミーとは、なんだろう

旅先で、レストランを選ぶということ

 

土地名 ディナー おいしい”とスマートフォンを検索すると、簡単に土地で評判のレストランの情報を得ることができるようになって久しい。SNSのタグづけや位置情報を参考に、口コミ投稿の海を泳ぐ。時折見かける辛口な批評も興味深く、そのような情報をもとに新しいお店に出かけていくのは非常に楽しい。

とはいえ、自由な旅のなかで自分の五官を試すことのできるレストラン選びをすべて誰かのオススメまかせにするのはもったいない。頼りになるのは、我が食いしん坊センサーとそれを直感で判断するセンス、そして時の運。ヤマをかけてえいやと扉を開き、1時間後くらいには結果は出ている。旅だからこそ楽しめる“お遊び”を試さないでなんとする!?

旅の1日目には、とりあえず予約しておいた人気のレストランで土地の料理を食べたとして、旅の終わりごろには食べたものに自分なりの感想を持てるくらい、舌とお腹とコミュニケーション力を試したい。そうやってレストランを選ぶセンサーを高めていくのも旅を続けるモチベーションのひとつになるのだから。

 

ふだんから行きつけのお店がある人ならば、何か好みの店を選ぶものさしのようなものが自分の中にあるのではないかと思う。ふだん自炊派の私には、店を選ぶものさしは“素材”。土地の素材をどのように使っているか、仕入れはどんなふうにしているのだろう、調味料へのこだわりはあるのか、ワインや日本酒はどのようなものがリストに入っているか……など食前酒やビールを1杯やり過ごしてメニューをじっくりと読み解く。ときには給仕をしてくれる人に質問したり、カウンターに立つ料理人と話したり。きっと料理が好きな人だったら、メニューを見た途端に当たり外れを実感するのではないだろうか。レストラン好きならば、シェフの経歴も気になるところだろう。いつぞやか行った有名店から独立したばかりのシェフのお店に偶然に行き当たったりすると先物買いした気分になることもあるはずだ。食べる前のうきうき感は自分でいかようにも盛り立てられる。当たりの店ならば、特に。

 

そうはいっても食べる前にお店を決めるのだから、まずはセンサーを敏感にして歩かなければならない。店のしつらえに美意識が届いているか。駐車場に地元ナンバーの車が多く止まっているか、などなど。地元の人たちもちょっとお出かけのときに使うようなお店だったら、なおさらいい。万国共通、地元に愛されているお店に外れなしだ。歩き回った末にたどり着いた店で飲む最初の1杯のなんとおいしいことか!

 

ただ、困ったことにそんなお店は予約をしないと入れないことのほうが多いのが現実。なるだけ旅の前半で出会いたいのだけど、時の運に見放されることもしばしば。そうなると、「次こそは絶対にここで食べてやるぞ」と指折り数えて次の休暇を待つこととなる。実際はそんなことの繰り返しだが、思い出すのはそんなエピソードばかり。だから、旅先でレストランを選ぶことをやめられないのだ。

 

南魚沼市の今成漬物店で伝統的な漬物づくりを見学

 

ガストロノミーとは、なんだろう

フードとつながる鍵は、そこにある

 

旅に出ると、土地の風土を感じさせる料理を食べたいと思う。なんたって、同じ素材を使っていたとしても、訪れた地域や家庭によってさまざまな味や食べ方がある。「あれ、以前食べたものとちょっと違うな」そんな風に気づいたときから、舌と脳は食べたものの微妙な差異を記憶していくようになる。

 

例えば、鯖。京都でおいしい鯖寿司を食べたとする。感動のままに、次の旅では出発地の羽田空港で福井の焼き鯖寿司を買って飛行機に乗り込んでみる。包装を解いて中をのぞくとルックスは京都のそれとはずいぶん異なるが、焼いた鯖の香ばしさにすっかり食欲を刺激され、あっという間に胃の中に収めることとなる。口福な鯖寿司体験は、そこで止めておけばいいのだが大阪のバッテラなど他の地方にある鯖寿司にも興味を持ち、その後は鯖寿司を見つけては食べることとなっていく。“ハマる”とは、こういうことをいうのだろう。

 

あるとき、鯖寿司店で「作りたてよりも翌日のほうがなれておいしい」と聞き、1本丸ごと食べたいところだったのを半分残し、食べ比べをしたことがある。確かに、二日目の鯖寿司は味がしまって旨味が増すように感じた。鯖寿司の意外な一面を知ったことで、保存食品としてのごはんと鯖、食材の組み合わせの妙や発酵の仕組みなどに興味を持ち、いろいろ調べてみた。そもそも、福井の若狭湾で獲れた鯖を塩漬けすることで日持ちさせ、鯖街道を通って京都に届けられたのが鯖寿司の由来に関係している。冷蔵庫のない時代に日本海から魚を京都に届ける暮らしの知恵から生まれたものであることで福井と京都の鯖が線で結ばれ、さらにはごはんと魚を乳酸菌発酵させた寿司の原型、なれずしへとたどりつく。なれずしといえば、鯖街道の通っている滋賀県の鮒寿司は外せない。では、鮒寿司も食べてみよう。ということで、自分は鮒寿司を食べに琵琶湖畔の料亭に出かけてしまった。

 

“あれ?ちょっと違う”から始まる食の考察は、思いもがけぬ場所へ自分を連れていってくれるから面白い。鯖寿司1本から広がる寿司の歴史や地域性への興味。ちょっと極端な例かもしれないが、嗜好品の消費から食文化の興味へと「食の思考」が深まっていくと、おいしさの裏側までにも旅立っていくことになるのだ。

 

鯖寿司をカレーや餃子、ワイン、コメ、日本酒など全国で食べられているさまざまな食べ物に置き換えてみると、どうだろう? 旅先で食べたものに興味を抱き、調べ始めた瞬間から、その一食は自分のなかで“文化”に変わる。そんな瞬間を意識しながら、土地の料理を味わいたい。風土とつながる鍵は、きっとそこにあるから。

 

雪国の自慢の日本酒

 

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旅先のテロワールを、地酒にこめて

 

“地酒”といえばすぐに日本酒が頭に浮かぶが、全国各地でブドウの栽培から醸造まで行われている日本ワインも地酒といえるのではないだろうか。ワインの世界で使われる “テロワール”という言葉は、土地を意味するフランス語のterre(テラ)に由来しているといわれている。ワインの背景にある自然環境をあらわす言葉だが、地酒の“地”に含まれる意味と比較的近い印象を受ける。まさに、旅先でその場所らしいテロワールを感じる1本に一期一会できたら最高だ。酒好きにとっては、うまい地酒はそれだけで旅の目的になるのだ。

 

ワインならば春から夏にかけて青々しいブドウ畑の様子を見学に、秋は収穫祭を目当てにワイナリーへ。日本酒ならば、冬には寒造りを見学し、蔵で酒を醸す香りにじかに触れ、春の新酒を待ち遠しく思う。次の季節を「待つ」ひとときを地酒は教えてくれる。

 

地方の小さな蔵で作られている地酒は、旅先でしか味わえないものが多い。気に入ったものに出会えたら、それは旅の僥倖。必ず持ち帰り、家族や友人と一緒に味わってみる。地酒をテーブルの中央に置いて旅の話をする楽しさといったらない。ときにはプレミアムがつくような地酒が並ぶときもある。とっておきの1本はテロワールをひと口で伝える力を持っており、文章よりもよっぽど説得力があることを思い知らされる。土を踏みしめて歩いた森のにおい、緑まぶしい水田、空気の湿り気、風の爽やかさなどを感じさせる、風土をまるごと液体に転写したかのような味わい。そんな全面降伏の1本を誰かに飲ませてやろうと四合瓶を何本か担いで帰ることになるのだが、我ながら帰途の荷物の重量には毎度のことながら呆れてしまう。

 

秋田県能代市を訪れたときのこと、人間味あふれる解説で地酒の世界に客をいざなう日本酒専門店の店主に出会った。蔵の周囲の自然環境や酒米、酵母、仕込み、蔵の様子、オーナーの近況など、いつも蔵に顔を出している人にしかわからないエピソードが満載で、例にもれず私も話術に引き込まれた。以来、毎年同じ蔵のものを飲み続けることとなったのだが、思い返せばこの体験が地酒の世界を知るきっかけだった。店主の熱のある解説に、生産者との間に緊張関係が存在することを消費者として感じ、信頼を寄せたのもあるからかもしれない。

 

旅の記憶は地酒とともに、状態が新鮮なうちに誰かと分かち合う、もしくは年月を置いて熟成させるとことができる。ひと口飲むたびにテロワールを蘇らせ、一段と深まっていく自身の旅のかたちに気づいていくことになるのだ。

(トラベルライター 朝比奈千鶴)

 

 

 

おいしいものに出会ったら、食材やそれを育てた人に思いを馳せてみる。食を通して、風土とのつながりを知ることで、あなたの旅はもっと豊かになる。

 

雪国ガストロノミーツアーで雪国の知恵を体験してみませんか。

 

雪国文化の源泉は雪国ならではの知恵。この地には半年近くも雪に閉ざされる冬を越すための知恵がいまも息づいています。そんな雪国の知恵は、食に色濃く顕れます。早春から晩秋にかけて採取した山野の恵みを塩漬けや乾燥品、発酵食として蓄える食文化は世界に誇れるものです。こうした雪国ならではの食文化を体験できるのが雪国ガストロノミーツーリズム。

 

行程例


里山の恵みと温泉調理

山菜やきのこ収穫体験と調理体験

越後湯沢駅ーほくほく線ーまつだい駅=松之山温泉

 

土間クッキング

地元お母さんと雪国の食体験

六日町温泉ryugon

 

秘境秋山郷のマタギ文化体験

マタギ文化に触れジビエ料理を堪能。翌日は現役マタギと行く雪上ハイク

越後湯沢駅=路線バス+デマンド便=秋山郷小赤沢・民宿出口屋

 

雪国のいなかごっつぉと日本酒体験

目黒邸(豪農の館)、ゆきくら館(酒蔵見学と試飲)

越後湯沢駅ーJRー越後須原駅=須原民宿

 

詳しくは、雪国ガストロノミー ツーリズム紹介ページ

 

( 2021/05/22 snowcountry )
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